子供の保険に入ってない?本当に入るべき子供の保険とは

保険

「子供が保険に入るべき?」

「子供が入る保険は何があるの?」

「本当に入るべき保険は何?」

子供の保険に入ってない方で、何となく「保険に入らないといけない」と漠然な不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、子供が入る保険は何か、また入るべき保険の優先順位は何か、まとめています。

「なんとなく、周りがそうしているから」という理由で保険に入ってしまうと、無駄に保険料を支払うことにもなりかねません。ぜひ、この記事を読んで、ご家庭に必要な保険を理解してから加入して下さいね。

① まず子供が入るべき保険は、個人賠償責任保険。その他の保険はご家庭の状況をみて必要な場合は加入すべき

② 「こども医療費助成制度」等で、子供は最長高校卒業時まで医療費の自己負担がほとんどかからない

③ 子供が保険に加入するよりも、両親が保険に加入することが大切

④ 教育資金を保険で準備する場合は、両親の死亡保障もかねて、両親が貯蓄性のある死亡保険に加入すべき

子供が保険に入る目的

子供が保険に加入する目的として、主に次の3つがあります。

子供の病気・ケガに備える
子供の教育資金を準備する
子供の将来に備えておく

子供の病気・ケガに備える

子供が予期せずに病気をしたり、ケガをした場合に備えます。

保険に加入していれば、契約内容通り、入院1日につき一定額の基本入院給付金を、加えて基本入院給付金に基づき算定された手術給付金を受け取ることができます。

日本は社会保険制度が充実していますが、子供が病気・ケガをした際に発生する全ての費用を負担してくれる訳ではないため、保険に加入しておけば安心感を得ることができます。

子供の教育資金を準備する

近い将来にかかる子供の教育資金を準備するため、貯蓄性のある保険を利用します。

文部科学省の令和3年度調査によると、進学割合の大きい私立大学の4年間で約400万円、医歯系学部では4年間で約1,600万円ほどの大きな学費がかかります。

参考:文部科学省|令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について

大学費用はまとまった支払いが発生するため、早い段階で計画的に貯蓄しておく必要があります。貯蓄性のある保険を利用すれば、毎月決まった日に必ず保険料の支払いが発生するため、毎月の収入を使ってしまう前に着実に備えることができます。

子供の将来に備えておく

子供の将来に備えるために、保険に加入します。

両親から子供へ年間で一定額以上の資金を渡した場合、例え親子間であっても贈与とみなされ贈与税が発生する可能性があります。

節税対策として、保険の契約内容を子供名義かつ払込期間を20年前後の短期間に設定し、月々の保険料を納めておけば、子供が社会人になる頃には一定の解約返戻金が発生する保険を準備することができます。

また、子供は保険料を負担することなく、両親が子供へ一生涯の保障をプレゼントすることもできます。

子供に保険は不要といわれる理由

国の公的保険が充実しているから

日本国民は原則全員、国民健康保険などの公的保険に加入することが義務付けられています。

現在は自治体により支給基準は異なりますが、「乳幼児等医療費助成制度」や「こども医療費助成制度」などの制度により、最長で高校卒業時まで子供の医療費の自己負担がなくなります。

ただし、お住まいの自治体により、対象年齢が異なったり所得制限を設けている場合があるため、お住まいの自治体に問い合わせて事前に確認しておきましょう。

また、幼稚園の入園時には「園児総合補償制度」に加入するなど、様々な教育機関を通して共済制度に加入するケースが多々あり、民間保険に加入しなくても保障が十分な場合もあります。

さらに、子供が高校を卒業した後も、一時的に大きな医療費が発生しても自己負担を一定額までに抑えられる「高額療養費制度」や、一定額以上の医療費を負担した場合に税金が安くなる「医療費控除」などの制度も利用することができます。

このように日本の公的保険は充実しているため、子供の医療費に関する負担についてはあまり心配する必要はありません。

大人と比べて病気にかかるリスクは低いから

厚生労働省が公表する最新の統計データによれば、0歳の子供は他の年齢と比較すると入院数は若干高いものの、19歳までの全ての年齢において入院数は低い水準となりました。

また、子供の平均入院日数においても、特に0~14歳は10日間前後と、他の年齢層に比べて限定的で少ない状況でした。

参考:厚生労働省|令和2年(2020)患者調査の概況「1 推計患者数」
参考:厚生労働省|令和2年(2020)患者調査の概況「3 退院患者の平均在院日数等」

このような統計からみて、子供の医療費はそこまで大きな負担にならないことが予想されるため、毎月高い保険料を支払ってまで加入する必要性を感じない方は多いでしょう。

教育資金は保険以外の方法で準備できるから

教育資金の準備は、学資保険のみならず、銀行の定期積立やつみたてNISAの税制優遇制度を利用した投資信託の購入など様々な選択肢があります。

学資保険は、保険会社が契約者の私たちから保険料を預かり、その保険料を満期までの間、投資信託など他の金融資産へ長期投資を行い利益を出すことで、将来私たちへ返戻金という形で返すことができます。

ただし、保険はあくまでも、万が一のことが起きても経済的リスクから私たちを守ることが最大の目的のため、必ず保障というコストがかかることになります。

そのため、経済や為替の動向を全く無視すれば、単純に学資保険ではなく、保障のコストがかからない投資信託などで運用したほうが理論上は増えることになります。
保障面が全く不要な方は、保険ではなく他の方法で教育資金を準備することが適しています。

子供が加入できる保険の種類

子供が入ることができる保険は、次の通りです。

医療保険
死亡保険
がん保険
傷害保険
個人賠償責任保険
学資保険

次に、それぞれの保険に入るべきか詳しく解説していきます。

医療保険

医療保険は、病気やケガにより入院や手術が必要になった時の費用を保障してくれます。

日本の公的保険は充実しているため、民間の医療保険は全く不要と思う一方、医療保険に加入することで、公的保険の対象とならない費用へ充てることができます。

例えば、個室で療養する際の差額ベット代、両親が病院へ通う際の交通費、また両親が仕事を休まなければならない場合はその間の生活費などは公的保険の対象とはなりません。

また、保険は病気の種類によっては、一度かかるとその後の加入が難しい場合があるため、早いうちに加入しておいたほうが良いと考える方もいます。

保険料を支払ってまで民間の医療保険に加入させる必要があるのか、ご両親の考え方により左右されますので改めて一度考えてみるとよいでしょう。

死亡保険

死亡保険は、万が一の不幸に備えた保障がついている保険です。

子供名義で加入した場合は、保障の対象は子供になり、万が一の不幸があった際には両親が保険金を受け取ることができます。

死亡保険は、残された遺族の生活を守るために加入することが目的ですが、子供が万一亡くなってしまっても残された両親の経済面に大きな影響を与えることは少ないため、子供の死亡保険は必ずしも加入しなくてもよいといえます。

贈与税対策もかねて、子供へ将来資産を残したい場合は、死亡保険に加入すると良いでしょう。

がん保険

がん保険は、がん治療に特化した保険で、診断時に一時金が給付されたり、がん治療における入院や通院時の費用を負担してくれます。

がんは、人が亡くなる主な原因の一つですが、国立研究開発法人国立がん研究センターが公表する統計によると、0~14歳の子供が小児がんになる確率は約1万分の1とのデータがあります。

そのため、一般的に子供が小児がんになる確率は低いと考えられ、がん保険に加入する優先度はそこまで高くないかもしれません。

ただし、女性の場合は、乳がんなどの罹患率は上昇する傾向にあるため、心配な方は加入を検討してみてもよいでしょう。

なお、がん保険においても、保険加入にあたり一定の基準を満たす健康な方しか加入できないため、希望する場合は健康状態が悪化する前に加入しておく必要があります。

参考:国立研究開発法人国立がん研究センター|がん情報センター小児・AYA世代のがん罹患2018年度発表

傷害保険

傷害保険は、偶然起きた事故によるケガに対して、入院や通院などの費用を補償してくれます。医療保険と異なり、ケガの治療の為に通院した場合でも保険金を受け取ることができます。

傷害保険の補償対象になる治療費は、医療保険と同様、自治体による子供の医療費助成制度でカバーできます。そのため、自己負担が発生することはほとんどなく、保険加入の優先順位は低いといえます。

ただし、子供がスポーツ系の部活などに所属しており、よくケガをしやすい環境にいる場合は、加入を検討してもよいでしょう。

個人賠償責任保険

個人賠償責任保険は、日常生活で誤って他人にケガをさせてしまったり、他人のモノを壊して法律上の損害賠償責任を負ってしまった場合、損害賠償金額を補償する保険です。

例えば、子供が自転車を走らせている時に他人とぶつかりケガをさせてしまった、またはボール遊びをしていたら他人の家のガラス窓を割ってしまった場合が該当します。

2013年には、子供が自転車を走行中に62歳の女性とぶつかり後遺障害を残してしまった事件で、保護者に9500万円の損害賠償が裁判所から命じられています。

このような事故を受けて、現在は地域により、自転車保険への加入が義務付けられています。ただし、自転車保険という保険に加入せず、いずれかの方法で個人賠償責任保障を受けていれば問題はありません。

子供はよく走り回ったり、大人が予想できない行動をとることも多いため、個人賠償責任保険への加入の優先度は高いでしょう。

個人賠償責任保険についてはこちらのページで詳しく解説しています。

学資保険

学資保険は、子どもの進学に必要な資金を準備するための保険です。

保険料の払込期間を決めて、その間保険料を支払った場合、入学時や進学時などまとまったお金が必要な時期に保険金を受け取ることができます。

また、学資保険には、万が一両親に不幸があった場合、以降の保険料の払込は全て免除される保険料払込免除特約がついています。

商品によっては、払込期間を10歳や15歳までに選択できるものもあり、早めに払い終えることで、将来受け取れる金額が増えます。

一方、途中解約をすると払い込んだ金額よりも返戻金が少なくなり、元本割れによる損をしてしまうことになります。

近年は学資保険の利率は低くなっているため、学資保険の代わりに低解約返戻金型の貯蓄性のある死亡保険に加入して準備する方法もあります。

低金利時代の今、民間金融機関の定期預金に預けてもほとんど利息がつかないため、子供の教育資金を準備する有効な選択肢の一つとなっています。

払込期間は必ず続けられる人、また学資保険に加入したほうが貯蓄できる人は、加入を検討してみるとよいでしょう。

子供が入るべき保険

民間保険の本来の役割は、起こりうる様々な経済的リスクに対して、公的保険でカバーできないリスクから守ることです。

このような本来の役割を考えてみると、公的保険でカバーできない個人賠償責任保険の加入は必須といえ、それ以外の保険はご家庭の状況をみて必要な場合は加入すればよいでしょう。教育資金や医療費などは、保険で準備しなくても貯蓄があれば賄えるものです。

一般的に、個人賠償責任保険は家族一人誰かが加入していれば、同世帯の家族全員においても保障の対象となります。

両親がそもそも個人賠償責任保険に加入していたり、火災保険、自動車保険またはクレジットカードの特約として加入している場合は、不必要に重複して加入しないように事前に確認しておきましょう。

また、家族が増えたら子供が保険に加入することも大切ですが、子供の保険よりも、特に両親が保険に加入しておくことが重要です。働いて生計を立てている両親に万が一のことが起きた場合のほうが、家計全体への影響が大きいからです。

そのため、両親が死亡保険に加入していない、または保障金額が足りない場合は、まずは両親が死亡保険に加入することをお勧めします。

一般的に死亡保険は貯蓄性もかねているため、教育資金がまとまってかかる大学進学時に解約すれば一定の解約返戻金を受け取ることができ、教育資金としても利用することができます。

さらに、子供が生まれつき体が弱い傾向にある、普段からスポーツを行っていてケガをする可能性が高い場合は、医療保険または傷害保険に加入してもよいでしょう。ただし、これらの保険へ加入する優先順位はそこまで高くありません。

まとめ

以上、子供が入る保険は何か、また入るべき保険の優先順位は何かお伝えしましたがいかがでしたか?

① まず子供が入るべき保険は、個人賠償責任保険。その他の保険はご家庭の状況をみて必要な場合は加入すべき

② 「こども医療費助成制度」等で、子供は最長高校卒業時まで医療費の自己負担がほとんどかからない

③ 子供が保険に加入するよりも、両親が保険に加入することが大切

④ 教育資金を保険で準備する場合は、両親の死亡保障もかねて、両親が貯蓄性のある死亡保険に加入すべき

ぜひ、優先順位の高い子供の保険から加入して、安心した毎日を送ってくださいね。

この記事を書いた人
ゆうた

2歳娘の子育てに励む30代パパ。

約10年間金融業界で務め、銀行マンや個人の家計相談などを経験。
その後、娘が生まれ育児休暇を取得。育児は心身ともに負担が大きいことを実感し、同じ子育て世代の悩みや不安を解決したいと考え、子育てやお金のコンテンツを発信している。

育休明けは家族との時間を増やしたいと思い転職。現在は妻と共にフルタイムで共働きであり、娘を保育園へ送迎する。

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