育休明けフルタイムは大丈夫?タイムスケジュールや働き方の判断基準をご紹介

子育て

育休明け早々のフルタイムって本当に大丈夫?

私の場合フルタイムを選択して、本当に良いのか知りたい。

育休明けの収入やキャリアを考えるとフルタイムで働きたいけど、本当に育児と仕事を両立できるのか分からない、とお悩みではありませんか?

結論、周りの環境や働き方次第で、育休明けのフルタイムは可能です。

この記事では、育休明けでフルタイムを選んだ妻と二人三脚で育児を乗り越えてきた筆者が、実際のタイムスケジュールや働き方の判断基準、またはフルタイムを実現させるポイントなどについてご紹介しています。

ぜひ、記事を読んで、自分に合った理想の働き方を選んでください。

育休明けフルタイムの問題点は?

育休明けでフルタイムを選ぶことで起きる問題として、主に次の4つが挙がります。

①子どもの急な体調不良時の対応が難しい
②家事を完璧にこなすことは難しい
③心にゆとりがない
④子どもとのコミュニケーションが減る

子どもの急な体調不良時の対応が難しい

保育園へ登園後、子どもの体調が優れない場合、保育園からお迎えの要請がかかることになります。

フルタイムの場合、仕事の調整ができないと保育園へ子どもをお迎えに行くことも、当日病院へ連れて行くことも難しいでしょう。

我が家の場合、特に育休明け3ヶ月間は子どもが何度も体調を崩し、よく保育園から呼び出されていました。

育休明け時点の子どもは病気に対する免疫が無いため、他の園児からも病気の菌をよくもらいます。
ウイルス性の病気が園内で流行った時、我が家では週1日しか保育園へ登園できないこともありました。

また、子どもが感染力のある病気にかかっていると診断された場合、多くの保育園が数日間登園できないルールを設けています。診断された場合は、勤務先を数日間休まなければなりません。

保育園によっては、発熱後翌日は必ず自宅待機をお願いされます。

我が家が通う保育園は自宅待機のルールはなく、比較的臨機応変に対応してくれるので助かっています。

保育園を選ぶ際は、子どもが体調を崩した際の対応について確認しておくとよいでしょう。

家事を完璧にこなすことは難しい

フルタイムは時短に比べ勤務時間が長いため、その分家事や育児に当てられる時間は減ることになります。

このように時間的に余裕のないフルタイムでは、家事を完璧にこなすことは簡単ではありません。

共働きの我が家は家事を分担していましたが、仕事で疲れている帰宅後も、育児や最低限の家事を行うだけでもヘトヘトです。

少しでも休める時間を確保したい思いでした。

少しでも家事の負担を軽くしたい方は、洗濯乾燥機やお掃除ロボットなどの時短家電の導入や、ベビーシッターや家事代行などの外部サービスを活用することになります。ただし、家事や育児の外部サービスを利用すれば、その分費用がかかる点には注意が必要です。

心にゆとりがない

フルタイムで疲れている中、急いで保育園へ子どもを迎えに行き、帰宅した後はさらに家事や育児に追われ、平日の自由時間はほとんどありません。このような忙しい毎日において、ママは肉体的にも精神的にも余裕はありません。

また、仕事において実績が求められる場合、なおさらプレッシャーを感じるでしょう。

子どもを寝かしつけた後も仕事に対応しなければならない場合、子どもが早く寝てくれないことにイライラしてしまうこともあります。

精神面の余裕がなくなるため、子どもに対して必要以上に怒ってしまうこともありました。

子どもとのコミュニケーションが減る

まだ幼い子どもは、ママにたくさん甘えたいはずです。フルタイムを選び、登園時間が長くなるとママが子どもと接する機会が減り、子どもに寂しい思いをさせてしまうかもしれません。

我が家では保育園へ預けた当初、寂しさを表すサインとして子どもが指をしきりに舐めるようになりました。

その様子を見て、なるべく早くお迎えに行き、可能な限り子どもと一緒に過ごしてあげたい気持ちが強くなりました。

国立保健医療科学院が公表する資料によれば、保育園へ子どもを預けること自体がただちに子どもの将来に悪影響を与えるとは言い切れないとの見解を示しています。

しかし、子どもの成長において親とのコミュニケーションが少なからず影響を与えることを踏まえると、可能な限り子どもの近くにいてあげたいと感じるママは多いでしょう。

参考:国立保健医療科学院|我が国の伝統的育児に関する妥当性の検討「3歳児神話」の検討P259

時短制度とは?

時短勤務の女性

時短制度とは、正式名称を「短時間勤務制度」といい、労働者が希望すれば原則1日あたりの所定労働時間を6時間まで短縮することができる、仕事と育児の両立を容易にする国の制度のことを指します。

短時間勤務制度の具体的な利用条件は、次の通りです。

① 1日の所定労働時間が6時間以下でないこと
② 日々雇用される者でないこと
③ 短時間勤務制度が適用される期間に、現に育児休業をしていないこと
④ 労使協定により適用除外とされた以下の労働者でないこと
 ア 事業主に継続して雇用された期間が1年に満たない労働者
 イ 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
 ウ 業務の性質上、短時間勤務制度の利用が困難と認められる労働者

参考:厚生労働省|育児・介護休業法のあらましP107

法律で定める制度対象者として「3歳に満たない子を養育する労働者」と定義されていますが、近年は企業独自の制度として、小学校就学以降の子どもがいる労働者でも制度利用を認める企業が増えています。

短時間勤務制度の利用対象者については、就業規則等に規定されています。時短勤務を選ぶ場合は、必ず勤務先の就業規則等を確認しましょう。

時短のメリットとしては、フルタイムよりも勤務時間が短くプライベートの時間が長くなるため、子どもとコミュニケーションをとる時間が増えたり、子どもの予期せぬ体調不良時にも対応しやすくなります。

一方、時短のデメリットとしては、勤務時間が短くなる分収入が減り、さらに責任の重い業務から外れることで仕事のやりがいを失ったり、今後のキャリア形成に支障が出る場合もあります

フルタイムと時短のタイムスケジュールをご紹介

一日のスケジュール例

続いて、我が家のスケジュールを例に一日の流れについてご紹介します。ママとパパの勤務状況について、次の通りです。

【ママ】30代、IT業界、フルタイム(裁量労働制(※1)で週2出社、週3在宅)

【パパ】30代、IT業界、フルタイム(フレックスタイム制(※2)で週5出社) 

(※1)裁量労働制とは、あらかじめ定めた時間を働いたものとみなして賃金を支払う制度です。一定の成果は求められますが、労働者が自らの裁量で働く時間を決められます。

(※2)フレックスタイム制とは、あらかじめ定められた総労働時間に対して、その範囲内で働く時間を労働者自身が自由に決めることができる制度

フルタイムのスケジュール

我が家の場合は、ママとパパ共に勤務時間を比較的柔軟に調整できる環境にいます。基本的には、パパは保育園へ子どもを送り、ママは退勤時間を調整して子どもをお迎えにいきます。

裁量労働制で勤務時間を調整できる環境にあっても、夕方にどうしても外せないミーティングが入るとママは保育園へ子どもをお迎えに行けず、その場合はパパが代わりに行きます。

もし、始業時間が遅く一日あたり8時間労働の定めがある会社に勤めており、勤務時間の調整が利かない場合、周りの方にお迎えをお願いするか、有料で延長保育サービスを利用することになります。

在宅勤務時は往復の通勤時間がなくなる分、仕事の時間を確保できますが、その代わりに自由時間がなくなります。

在宅だと仕事とプライベートが混在しがちなため、メリハリのある時間管理を行う必要があります。

なお、ご紹介した我が家のスケジュールは、パパも一定子どもの対応をする前提のため、もしパートナーからの協力が得られない場合、ママの負担がさらに増えることになります。

時短のスケジュール

もし時短を選択した場合、どのようなスケジュールが組めるのか、実際にママへヒアリングを行い一日のスケジュールを想定してみました。

フルタイムの場合と異なる点は、勤務先の退勤時間が早いため、それだけママの自由時間が増えることです。

夕食前に買い物へ行き当日料理をしたり、パートナーとのコミュニケーションや自分の趣味を楽しんだりできます。

在宅の自由時間について、フルタイムの場合と比べて一日たったの1時間程度しか増えないと思われるかもしれませんが、育児・家事・仕事で休む暇がないママにとって、この1時間が心のゆとりに繋がります。

ただし、勤務先によっては時短でありながらも仕事量がフルタイムと変わらないこともあります。退勤後に業務に取り組むママも一定数おり、業務量と給与を比較して割に合わないと感じている方もいます。

フルタイムと時短の割合

フルタイムか時短を選ぶべきか、疑問をもつ女性

厚生労働省が公表している令和4年度調査結果によると、これまで正社員勤務のママを対象に、末子が2歳になるまでの希望する働き方としてフルタイムを希望する方は38.6%、時短を希望する方は38.8%となっています。(その他回答は、長期休業を取得、わからない等)

育休明けの時期を子どもが1歳を過ぎてから2歳になるまでと定義すると、復帰後希望する働き方はフルタイム派と時短派に分かれ、一概にどちらを選択すればよいのか正解はありません。家庭の状況や自身の価値観により働き方は様々だといえます。

参考:厚生労働省|仕事と育児の両立等に関する実態把握のための調査研究事業 全体版 労働者調査報告書p38

女性の社会進出が後押しされる中、所定外労働の制限や短時間勤務制度、あるいはテレワーク・フレックスタイム制度の導入など、育児と仕事を両立させる制度を導入する企業は年々増加しています。

勤務先においても制度が導入されているか、就業規則やサポート制度について調べてみるとよいでしょう。

参考:厚生労働省|令和4年度雇用均等基本調査 事業所調査 結果概要P22

フルタイムか時短かの判断ポイント

チェックポイントを表す虫眼鏡

フルタイムか時短か働き方を選ぶ際は、まず次の3つのポイントを確認しましょう。

①毎月の収支に問題はないか
②タイムスケジュールに無理はないか
③自分の価値観を考える

毎月の収支に問題はないか

一般的に、時短はノーワーク・ノーペイの原則通り、働く時間が短いほど給与は減るため、毎月の家計収支に問題ないか確認しましょう。

まずは毎月の収入と支出を思いつく限り書き出してみることをお勧めします。実際に書き出すことで漏れなく収支を把握でき、客観的に見つめることができます。

もし収支に余裕がなければ、抑えられる支出はあるのか、収支改善の余地がなければ収入を維持できるフルタイム一択となります。

タイムスケジュールに無理はないか

フルタイムを選んだ場合、タイムスケジュールに無理はないか確認しましょう。

保育園によって、送迎の時間や延長保育の時間帯、また定員数も異なります。育休明けのフルタイムでも保育園へ子どもの送迎が実際可能なのか勤務先へ確認しましょう。

また、残業時間も重要なポイントです。勤務先によっては、終わらない業務があれば帰宅後に取り組まなければならない場合もあります。

フルタイムでは育児、家事、仕事全てを一人でこなすことは難しく、パートナーや周囲のサポートが得られることでママのストレスは軽減されることになります。

自分の価値観を考える

自分は何を優先したいのか、改めて考えてみましょう。例えば、次のような価値観があります。

「働くことで毎日がイキイキする。キャリアは絶対に諦めたくない」
「収入を上げて、旅行など様々な体験をしたい」
「子どもとの時間を第一に考えたい」
「少しでも無理のないスケジュールで毎日の生活を送りたい」

今後のキャリアも諦めたくない一方で、子どもと一緒に過ごす時間が十分にとれていないことに罪悪感を感じ、葛藤するママも多いようです。

まずは、自分にとって譲れないポイントは何か考え、その実現のために周囲の協力が得られるのか確認しましょう。

育休明けフルタイムで両立が難しいと感じたら

検討ポイントのアイデア

もし育休明けフルタイムのハードルが高いと感じたときは、次の3つを検討してみましょう。

①外部サービスを利用する
②時短で復帰後、フルタイムへ変更する
③転職する

外部サービスを利用する

周りに育児・家事の協力者が見つからない場合、有料の外部サービスを利用すればフルタイムでの復帰が可能になるかもしれません。

例えば、洗濯乾燥機やお掃除ロボットなどの家電を導入したり、ネットスーパーやミールキットを利用することで、家事の時短に繋がります。

それでも、フルタイムではスケジュールがまわらない方は、家事代行サービスやベビーシッター、あるいは行政が子育て支援の取り組みとして行っている「ファミリーサポート」の利用を検討してみるとよいでしょう。

我が家はまず最初に洗濯乾燥機を導入しました。その結果、洗濯物を干す手間がなくなり、家事の時短に繋がりました。

また、ミールキットを活用すれば、毎日食事のメニューを考える手間や、実際に買い物をする手間が省けます。

さらに、既に食材がカットされているプランを選ぶことで大幅な時間短縮にも繋がっています。

時短で復帰後、フルタイムへ変更する

育休明けは時短で復帰し、育児と仕事の様子を見てからフルタイムへ戻すことも選択肢の一つです。

フルタイムへ戻すタイミングは、復職後3ヶ月後や、子どもが1歳を過ぎて育児に少し余裕ができた頃など、ママによって様々です。子どもの体調や保育園の生活が安定してきたタイミングで検討してみるとよいでしょう。

時短勤務の期間が限定的であるほど、仕事のブランクを埋められる可能性は高くなります。

一般的には、入社当初フルタイムとして雇用契約を交わしていた社員が、短時間勤務制度を利用する必要が無くなったためにフルタイムへ勤務形態を戻すことについて、法律的に可能だといわれています。

ただ、勤務先により対応が異なる場合もあるため、時短からフルタイムへ戻すことができるのか、事前に勤務先へ確認しておくと安心です。

なお、勤務形態の変更に伴い、企業側も人員配置の見直しなどの準備を要するため、フルタイムへ戻したい時期が明確に決まったら勤務先へ早めに相談しましょう。

転職する

勤務先へ相談してみて、それでもやはり育児と仕事の両立が難しい場合、転職も視野に入れましょう。

テレワークやフレックスタイム制度を導入している企業であれば、業務を調整しながら臨機応変に育児や家事にも対応できます。

また、1週間の所定労働時間が短いながらも、基本給や賞与の算定方法がフルタイムと同様である「短時間正社員制度」を導入している企業も一定数あります。

参考:厚生労働省|多様な働き方の実現応援サイト 短時間正社員

転職エージェントを利用すれば、希望に沿った求人を無料で紹介してもらえるので、まずは試しに話を聞いてみることをお勧めします。

転職先を選ぶうえで、育児と仕事が両立できること以外にも、やりがいをもって働けることが大切です。

近年は、テレワークやフレックスタイム制度を導入している会社の求人が増えていますので、一度求人を確認してみましょう。

転職面接の際は、フルタイムのママが実際にどのように活躍しているのか聞いてみてください。

まとめ

親子が笑いながら触れ合っている様子

以上、実際の一日スケジュールや働き方の判断基準、またはフルタイムを実現させるポイントなどについてご紹介しましたが、いかがでしたか?

育休明けでフルタイムを選択すべきかについて、ご自身の家庭環境や価値観により答えが異なるため、一概に正解はありません。

経済力に問題はないか、周囲のサポートが期待できるのか、あるいは勤務時間の調整が可能なのかなど、このような複数のチェックポイントを総合的にみて判断するしかありません。

育児と仕事どちらも乗り越えるためには、ママの笑顔が欠かせません。もし、ママの笑顔がなければ、家庭にも影響を与えてしまうでしょう。

自分にとって一番ストレスを感じない働き方を選び、育児と仕事を両立させた充実した毎日を過ごしてくださいね。

この記事を書いた人
ゆうた

2歳娘の子育てに励む30代パパ。

約10年間金融業界で務め、銀行マンや個人の家計相談などを経験。
その後、娘が生まれ育児休暇を取得。育児は心身ともに負担が大きいことを実感し、同じ子育て世代の悩みや不安を解決したいと考え、子育てやお金のコンテンツを発信している。

育休明けは家族との時間を増やしたいと思い転職。現在は妻と共にフルタイムで共働きであり、娘を保育園へ送迎する。

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