保育園へは0歳と1歳、どのタイミングで入園すべき?
子どものことを考えると、1歳になるまでは出来るだけ一緒にいてあげたい。
結論、保育園への入園時期に正解はなく、親の育児に対する考え方や家庭環境により異なります。
もし、復職を最重視するなら、0歳からの入園をおすすめします。
この記事では、妻と二人三脚で育児に取り組む筆者が、保育園の入園時期の割合や、0歳から入園するメリットとデメリットについて解説しています。
ぜひ記事を読んで、親子にとってベストな入園時期を選択してください。
保育園の入園時期は0歳と1歳どっちが多い?
こども家庭庁が公表する内容によると、令和5年4月時点で保育園等を利用する児童数の割合は0歳児で17%、1・2歳児で57.8%となります。
この結果から、0歳よりも1歳を経過した時点で、保育園への入園を希望する方が多いといえます。
この理由としては、「生まれたばかりのこどもを保育園へ預けて寂しい思いをさせたくない」、「0歳の頃の貴重な成長を見届けたい」、「出産後は体力面を考えて育児休暇を十分にとりたい」と考えるママが多いことが挙げられます。
参考:こども家庭庁|保育所等関連状況取りまとめ(全体版)<令和5年4月1日> P4
他方で、早期復職のため、0歳の頃から保育園を利用する方も一定数います。
原則、生後56日を過ぎている子どもであれば入園の対象となります。
この日数の理由としては、原則ママは産後56日間は休暇をとり、就業してはいけない労働基準法のルールが定められているからです。
例えば、保育園へ4月入園を希望する場合、1月生まれの子どもは同年4月1日時点で生後56日間を過ぎているため、0歳クラスの4月入園について申込が可能です。
一方、2月中旬以降や3月生まれの子どもは、同年の4月1日時点では生後56日間を過ぎていないため4月入園には間に合いません。その場合、0歳クラスの途中入園を目指すか、あるいは翌年度の4月から1歳クラスに入園することになります。
このように早生まれの場合、4月入園が間に合わない可能性があり、保活は比較的不利になります。
ただし、保育園によっては受け入れ時期を生後6ヶ月以上に限定するなど、入園にあたり一定基準を設けている場合もあります。出産後早めの時期に入園を希望する場合は、各保育園の受入条件についてまず確認しましょう。
保育園は0歳クラスが入園しやすい
こども家庭庁の公表内容によると、保育所等の利用児童数全体に対する待機児童数の割合は1・2歳児が85.1%であるのに対し、0歳児は5.8%と低くなっています。つまり、保育園へ入園しやすいクラスは待機児童数の割合が少ない0歳クラスといえます。
0歳児の待機児童が低い理由としては、育児休業制度を利用して自宅で育児を行う家庭が多いことや、0歳クラスは下のクラスからの持ち上がりがないため、1・2歳クラスと比較すると新規の定員枠が大きいからです。
1歳クラスは0歳クラスからの持ち上がりでほとんどの枠が埋まり、また、国が定める保育士の配置基準により一人の保育士が担当できる子どもの人数は比較的少なく、保育士の数にも限りがあるため、結果として定員枠が小さくなる傾向があります。
そのため、早めの段階で復職したい方や今後確実に復職したい方は、0歳クラスから入園することをおすすめします。
生後1~2年は子どもと一緒にいたいと感じるママが多い一方、1歳クラス以降では保育園への入園のハードルが高いため、あえて0歳クラスから入園させる方も一定数います。
参考:こども家庭庁|「保育所等関連状況取りまとめ(令和5年4月1日)」P6
参考:厚生労働省「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第(三十三条)」
保育園のクラス決めの基準は?
保育園では、入園時期により指定されたクラスに子どもは割り当てられることになります。4月入園の場合、4月1日時点の満年齢でクラスが決まります。
例えば2025年4月の入園について考えてみましょう。2024年4月2日以降に生まれた子どもの場合、2025年4月1日時点では満0歳となるため、基本的に0歳クラスの入園となります。
一方、2024年4月1日以前に生まれた子どもの場合、2025年4月1日時点では満1歳となるため、0歳クラスではなく1歳クラスの入園となります。
なお、途中入園の場合、入園時点の年齢でクラスが決まることになります。
明確なクラス決めの基準があるため、例えば2024年4月2日に生まれ、本年度中に0歳クラスに途中入園した場合を考えてみます。この場合、翌年2025年4月1日時点でまだ0歳のため、次年度も0歳クラス扱いとなり、同じクラスを2回経験することになります。
保育園へ0歳で入るメリット
保育園へ入園しやすい0歳クラスですが、0歳から預けることで親子にとってどのような影響があるのでしょうか。次に、0歳から入園するメリットをお伝えします。
早めに復職できる
産後早い時期から職場へ復帰できるため、キャリアのブランクは最小限になります。
一般的に、長期間の育児休暇により業務のブランクが大きくなる見通しが立てば、企業側としても休職者を責任あるポジションから一度外さざるを得ません。
しかし、育児休暇の期間が限定的であり職場復帰の目途が立てば、復職後も責任あるポジションを任せてくれる可能性は高くなります。
復職後も責任あるポジションを務めれば、理想のキャリアを形成しやすくなるでしょう。
プロ目線の保育が受けられる
保育園に在籍する職員は、保育に関する資格取得や研修を受けており、保育の知識が豊富です。
0歳児にあった適切なスキンシップをとり、話す力や表現力を高めてくれたり、個々の成長に合わせて無理なく離乳食を提供してくれたりします。
0歳児への接し方にも慣れているため、子どもの機嫌が悪い時でも、落ち着きのある適切な対応をとれる点がプロだと感じました。
育児や離乳食のことなど疑問点があれば都度相談することもでき、子育てのパートナーとしても信頼できました。
また、0歳児に合った様々なカリキュラムが用意されており、子どもの成長を支えてくれます。
例えば、子ども自身が季節を感じることができるイベントがあったり、音楽教材を準備してリズム感を養ったりなど、様々なプログラムがあります。
保育園毎に方針は異なりますが、我が家が通う保育園では、五感を刺激したり体を使った遊びのカリキュラムが豊富です。
保育園内に大きなトンネルや障害物を用意してハイハイさせたり、ペットボトルの中にどんぐりを入れた手作りの楽器で遊ばせてくれたりします。
その他、新聞紙をビリビリに破かせる、無理のない水遊びもさせてくれるなど、家庭では一手間かかる遊びも保育園で出来て助かります。
育児のストレスから解放される
子どもを保育園へ預けている間は親が育児から離れることになり、気持ちの切り替えができます。
育児中は子どもから一時も目が離せません。また、0歳児は言葉のコミュニケーションがまだ取れないため、機嫌が悪い時の原因がよくわからないことも多々あり、親のストレスは溜まります。
子どもと離れる時間ができれば、気分転換となり、その後は心にゆとりをもって育児に向き合えるでしょう。
一緒にいる時間が減ってしまう代わりに、子どもと一緒にいる朝・夕方の時間帯は、たくさんコミュニケーションをとりましょう。
子どもは可愛いと思える一方、一時も子どもから目が離せない緊張感があります。
その緊張感から解放されることで育児のストレスがリセットされ、また新たな気持ちで子どもと向き合えました。
生活リズムが整う
保育園では、食事の時間、散歩の時間、お昼寝の時間など、決められたスケジュールに沿って1日を過ごします。そのため、登園するだけで、自然と一日の生活リズムが整います。
生活リズムが整うことで、子どものメンタルは安定し、比較的機嫌の良い時間が増えることにも繋がります。
また、保育園のスケジュールに合わせて休日自宅で過ごすことになるため、休日のスケジュールの目安が自然と立ちます。
子どもの生活リズムを理解しているため、ママの一日の行動の見通しが立ち、育児がラクになります。
保育園へ0歳で入るデメリット
次に、0歳から入園するデメリットについてお伝えします。
子どもと一緒にいる時間が減る
保育園に子どもを預けるため、当然ママが子どもと過ごす時間は減ります。
0歳の子どもはママとスキンシップをとることで安心感を得ることができ、親子間の信頼を築く機会を減らしてしまうことになります。
また、0歳から保育園へ子どもを預けることに対して、周りから「かわいそう」などと批判の声があがり、罪悪感を感じるママもいるでしょう。
0歳児の成長は早く、初めての寝返りやハイハイ、つかまり立ちなどの場面を親が見逃してしまう可能性があります。
病気や感染症にかかりやすい
保育園では、他の園児と集団生活を行うため、病気や感染症をもらう可能性があります。
0歳児は病気の菌に対して十分な免疫がないため、 感染症が一度流行るとほとんどの園児の体調は悪化します。
子どもが病気や感染症にかかれば、仕事を早退したり休んだりしなければならず、勤務先との調整が必要になります。
我が家の場合、保育園へ登園してから3ヶ月間は他の園児から病気の菌をよくもらい、保育園からお迎え要請の連絡が頻繁にかかってきました。
仕事と育児の両立に体力がいる
育児の時間から一定解放される一方、仕事における人間関係の悩みやプレッシャーなど、育児とは異なる面でストレスを感じることがあります。
仕事のストレスを抱えながら、帰宅後に気持ちを切り替えて育児を行うことは想像以上の負担があります。
また、保育園へ入園すると、毎日子どもの衣類などの持ち物を準備しなければならず、それに伴い洗い物も増えます。
保育園の準備をしながら仕事の準備も進めなければならないため、時間にも追われ、肉体的にも精神的にも負担を感じるでしょう。
我が家では子どもの好き嫌いが激しく、自宅で様々な料理にチャレンジしてほしいと保育士さんからお願いされました。
仕事をしながら料理のメニューにも気を遣い、仕事と育児を両立させることは精神的にも大きな負担を感じました。
また、我が家の場合は義母の昔からの教育方針があり、保育園側の方針と異なるときは、義母と保育園の間に立つ妻がストレスを感じる場面もありました。
保育料がかかる
保育園を早い時期から利用すれば、それだけ保育料の出費がかさみます。
保育料は、親が負担する住民税等の世帯合計額をもとに決定されるため、親の収入によっては保育料の金額も上がります。
例えば、東京都町田市の場合、給与収入のみの共働き世帯で年間額面がパパ5百万円、ママ4百万円の場合、毎月の保育料を概算で試算すると約4.3万円となります。
保育園の入園スケジュール
保育園の入園スケジュールの目安について、認可保育園と認可外保育園に分けてご紹介します。
認可保育園の場合
保育園を見学する(6~9月頃)
入園にあたり保育園の見学は必須ではありません。しかし、実際に現地へ足を運んでみると園独自の雰囲気がわかるため、見学をおすすめします。見学を希望する場合は、保育園へ直接問い合わせします。
現地では、特に次の点を確認しましょう。
・保育園の雰囲気
・子どもたちの様子
・職員の子どもへの接し方
・職員の人数
・園庭の有無
・自宅から保育園までの経路
実際に見学した保育園の中には、案内してくれた職員の子どもへの接し方が希薄な印象を受ける園もありました。
職員個人によって対応の質は様々だと思いますが、ここなら通園したいと直感的に感じられる環境があることが大切です。
また、保活を進めるにあたり不明点があれば、お住まいの自治体の保育課に問い合わせしてみましょう。各保育園の昨年の内定実績や、自身の保育に関する点数について教えてくれます。
申込書類の準備・手続き(10〜12月頃)
認可保育園の場合、お住まいの自治体の保育課に申込書類を提出し、入園の申込みを行います。
自治体により受付時期が異なるため、必ず自治体のホームページを確認したり、電話で問い合わせしたりしましょう。なお、4 月入園の申込みについて、現にまだ出生していない子どもについても申込みが可能です。
一般的に、申込みにあたり必要な書類は次の通りです。
・個人番号確認書類
・本人確認書類
・保育所入所申込書
・保育の必要性を証明する書類(「就労証明書」など)
・入所に関する確認票
・子どもの健康状況申告書
参考:大田区ホームページ|令和6(2024)年度版 入園申込みのしおり
事前に手配しなければならない書類や記入書類が複数枚あるため、記入に時間がかかりました。
また、「就労証明書」は勤務先に作成してもらう必要があり、勤務先によっては発行までに時間がかかるため、早めに依頼しておくことが肝心です。
もし、他の自治体の保育園への入園を希望する場合、基本的には現在住んでいる自治体を通して申込手続きを行います。
住んでいる自治体を経由するため、締め切りが早めに設定されていることが一般的です。お住まいの自治体へ事前に必ず確認しましょう。
入園の申込みは各自治体の保育課窓口で直接提出するか、あるいは郵送手続きでも可能です。
ただし、不備があり再提出を求められる場合や、保育に関する点数について誤った点数で受理される可能性があるため、窓口でその場で確認してもらい提出することをおすすめします。
窓口は申込み締切間際はかなり混み合うため、早めの時期に手続きすることがポイントです。
保育園入園の内定通知が届く (1月頃)
自治体から内定通知が郵送され、入園先が確定します。
今後は入園前の説明会や保護者面談、また子どもの健康診断の受診など、入園前の手続きを進めることになります。まずは入園先へ問い合わせしましょう。
我が家の場合、入園前の保護者面談はママが受けたのですが、園長先生から直接、園の保育に対する話を聞けて、誠実さも感じられ安心したとのことです。
二次申込の受付(2月頃)
内定辞退・退園等、各保育園の定員状況に変化がある場合、二次申込の受付を開始する場合があります。
二次申込に関しては、各保育園や自治体の手続きを考慮して、一次選考者を繰り上げ内定とする制度がなく、改めて申込書類の提出が必要になるため注意が必要です。
一般的に、定員数は少なく狭き門となりますが、諦めず申込してみましょう。
認可外保育園の場合
認可外保育園の場合、定員に空きがあれば、随時入園の申込みが可能です。各保育園により申込の流れが異なるため、電話やメールで直接問い合わせしましょう。
基本的には事前に施設の見学を行い、入園の意向があれば申込書類を準備して、後日保育園へ提出する流れになります。
まとめ
以上、保育園の入園時期の割合や、0歳から入園するメリットとデメリットなどについて解説しましたが、いかがでしたか。
保育園へ0歳から入園すれば、子どもと一緒に過ごす時間は自ずと減ることになります。しかし、入園の定員枠が比較的多いため親が復職しやすかったり、プロ目線の保育が受けられたりといったメリットもあります。
保育園への入園時期に決まった答えはありません。ぜひ親にとってもベストな入園時期を選び、充実した子育てライフを送ってください。
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