「こどもの習い事は何がいいのか?」
「習い事の最近のトレンドは?」
「習い事を選ぶうえでの注意点は?」
こどもの習い事をそろそろ検討している方は、このような疑問をお持ちではないでしょうか。この記事では、習い事の最近のトレンド、各習い事で身につく能力や選ぶ際の注意点をまとめてみました。
この記事を読むことで、どの習い事を選べばよいかヒントが得られます。ぜひ、ご参考にしてください。
① 習い事上位は例年通り変わらず、1位は前年同様「水泳」。小学校のプログラミング授業必修化に伴い「プログラミング教室」に通うこどもも増えている。
② こどもが楽しめる事が大前提。運動能力ならスポーツ系、知的能力を鍛えたいなら文化系の習い事がオススメ。
③ 習い事によって初期費用または月謝の相場は変わるため、無理のない予算で習い事を選ぶべき。
④ こどもの送迎など、親の負担についても事前に確認すること。
こどもの習い事人気ランキング
学研教育総合研究所が公表する「小学生白書WEB版2022年9月調査」によると、習い事のトップ20は次の通りです。
1.水泳
2.音楽教室
3.学習塾
4.通信教育
5.英会話教室
6.体操教室
7.習字
8.そろばん
9.サッカー
10.ダンス
11.その他のスポーツ
12.武道(柔道・空手・剣道)
13.バスケットボール
14.バレエ
15.プログラミング教室・ロボット教室
16.野球
17.絵画教室・造形教室
18.プログラミング、動画制作以外のPCスキル
19.ボルダリング
20.将棋・囲碁
ランキングTOPは、ここ数年首位を守る「水泳」で、その後は「音楽教室」「学習塾」「通信教育」「英会話教室」と、ここ数年依然として人気の高い習い事が続きました。
ここ数年の変化といえば、オンライン形式で受けられるサービスが増えたことです。2019年の新型コロナウイルス感染拡大を受けて、対面での習い事に抵抗がある保護者が増えたため、今後は「水泳」など一定の場所が必要なもの以外は、同じ習い事でもオンライン形式で受けられるサービスが増えています。
オンライン形式は場所を選ばず、送迎が不要、コストが抑えられるなど様々なメリットがあるため、今後もサービス拡大が予想されています。
また、「プログラミング教室」や「ボルダリング」など、かつては選ばれなかった習い事の選択肢も増えてきました。特に、2020年度から小学校でのプログラミング教科の必修化に伴い、「プログラミング教室」を習い事として選ぶ方が少しずつ増えています。
代表する10の習い事
ここでは、人気の習い事のうち、10の習い事をご紹介します。
水泳
【対象年齢】:0歳から
【入会金】:4,000円~10,000円
【月謝】:4,000~15,000円
※別途、水泳用具の購入あり(10,000円前後)
【身につく能力】:体力向上、心肺機能の向上、協調性
水泳は、こどもの年齢によってクラスが分かれ、0歳の赤ちゃんから通える習い事として例年人気です。
こどもの時から水に触れることで、水に対しての恐怖心がなくなり、学校のプールの授業が得意になったり、川や海で楽しく遊ぶことができます。
水泳を行うメリットは様々あります。例えば、水中では水の抵抗を受けるため、陸上よりも大きな運動量を得ることができ、基礎体力・持久力の向上が期待できます。
さらに、水圧で肺の容量が小さくなり呼吸数が増えることで呼吸に関わる筋肉が鍛えられ、心肺機能の向上に繋がり、ぜんそくの予防にもなります。
また、プールの水温は体温より低く、体は体温を維持しようと働くため、体温調整機能が高まります。体温調整機能が高まると、気温の変化に対して体は強くなり、その結果風邪をひきづらい体質になります。
その他にも、水泳の各種目の記録を更新することで達成感や向上心が高まること、集団行動での協調性が身につくことも期待できます。
水泳教室では、見学スペースを設けていれば、親がレッスン中のこどもの様子を見ることも可能です。
さらに、送迎バスを導入しているスクールを選べば、送迎の手間がなくなり、親の負担は軽くなるでしょう。
音楽教室(ピアノ)
【対象年齢】:3歳から
【入会金】:10,000円~17,000円
【月謝】:5,000~16,000円
※別途、教材費の購入あり(5,000円前後)
【身につく能力】:音感、記憶力、表現力
音楽教室に通えば、こどもの頃から自然に音感やリズム感を磨くことができます。
ピアノの場合、一般的には教室へ通い、講師の先生がマンツーマンでレッスンしてくれるため、こどもの成長ペースに合わせて指導してくれます。
ピアノを弾く時は、目で楽譜を追い、両手の指を同時に使うなど、複数のことを並行して同時に行います。このように複数のことを同時に行うと、一度に脳が処理できる情報量の上限が増えるため、様々な物事に対しての判断力が上がることに繋がります。
また、譜面を覚えるため、脳の記憶を司る海馬という部分が発達し、記憶力アップの効果もあります。
加えて、記憶したことを正確にアウトプットすることに加え、音の強弱やテンポなどをコントロールする必要があるため、表現力も培われます。
さらに、ピアノは同じ曲を何度も繰り返しながら練習するため、反復学習と同様の効果がありますが、この反復学習はこどもの学力向上に影響するともいわれています。
学習塾
【対象年齢】:5歳から
【入会金】:10,000円~25,000円
【月謝】:4,000~35,000円
※学習塾により別途、教材費の購入あり(10,000円前後)
【身につく能力】:学力向上、学習習慣
学習塾に通うことで、学校以外の環境で、学習時間を一定数確保することができます。
学習塾に通うメリットとしては、学習習慣が身に付くこと、受験や進学の最新情報を得ることができます。
特に、授業についていけない、または苦手科目がある場合は、受験や進学を見据えて、快適な学習環境が整う学習塾で学ぶと効果的でしょう。長期的に見て、学習塾に通わない子と比較して、学力の大きな差がつくはずです。
文部科学省が公表する令和3年度子供の学習費調査(※)によると、小学生3,4年生頃から学習塾にかける費用が上昇しており、小学校中学年から学習塾に通うこどもは多くなります。なぜなら、この小学生中学年頃から学習の難易度も上がり、また受験を見据えたカリキュラムが始まるためです。
さらに、文部科学省が公表する前回平成30年度調査の内容と比較すると、全ての学年で学習塾にかける費用が上昇していることから、学校以外で学習する環境が求められている傾向があります。
学習塾は、講師1人が複数の生徒を指導する「集団指導塾」と少人数の生徒を指導する「個別指導塾」に分けることができ、こどもにあった環境で学習することができます。
近年はタブレットが導入され、より効率的に学べる仕組みが導入されています。
(※)参考①:文部科学省|令和3年度子供の学習費調査、参考②:文部科学省|平成30年度子供の学習費調査
英会話教室
【対象年齢】:2歳から
【入会金】:13,000円~15,000円
【月謝】:7,000~30,000円
※別途、教材費の購入あり(15,000~20,000円前後)
【身につく能力】:英語力、コミュニケーション力、グローバル視点
英会話教室では、外国人講師と遊びながら楽しく英語を学ぶことができます。
英会話教室に通う最大のメリットといえば、自然に英語を認識できる耳が育つことです。2020年度から小学校で英語科目が必修化したこともあり、こどもが幼い段階から習い事として選ぶ家庭が増えています。
幼い頃から英語に触れておくことで、今後学習の難易度が上がっても抵抗なく英語を学べ、進学や受験においても有利に働くでしょう。
また、コミュニケーション能力が高まる効果も期待できます。
日本の学校では、講師が生徒へ一方的に教える場面が多いですが、英会話教室では生徒同士の意見交換も頻繁に行います。このように自分の考えを伝える場面が多くなるため、必然的にコミュニケーション能力が上がるでしょう。
さらに、異文化への興味関心が育ち、グローバル視点をもちながら成長することにも繋がります。グローバル視点で物事を考えられる人材は、大人になって社会に出た後、必要とされるでしょう。
体操教室
【対象年齢】:0歳8カ月から
【入会金】:11,000円~15,000円
【月謝】:8,000~13,000円
※別途、指定ユニフォームの購入あり(10,000円前後)
【身につく能力】:基礎運動能力、柔軟性、調整力
体操教室では体操器具を活用し、歩く・跳ぶ・握るなどの基礎的な動作から、跳び箱・マット運動・鉄棒など様々な運動を行います。
身体の全ての筋肉をバランスよく使うことにより、子どもの基礎運動能力や体の柔軟性が上がります。
特に幼児期においては、体のバランス感覚を養ったり、体を巧みに素早く動かすための「調整力」を身につける必要があります。
さらに、小学生になると体育の授業が始まりますが、この時期で運動の好き嫌いが分かれます。体操教室で運動の楽しさを経験しておくことで、今後も運動に抵抗なく取り組むことができるでしょう。
教室によっては生後8ヶ月頃から通うことができ、1年にわたる長期レッスンや、1日単位のスポットで受けられる短期レッスンがあります。また、小学受験や競技大会出場など目的のある方は、専門性の高いレッスンを行う教室を選ぶとよいでしょう。
なお、3歳以下の場合は、親子での参加を必須としている教室もあります。親子での参加なら、他のママパパさん同士の情報交換の場にもなるでしょう。
習字
【対象年齢】:5歳から
【入会金】:1,000円~4,000円
【月謝】:4,000~6,000円
※別途、書道用具の購入あり(4,000円前後)
【身につく能力】:字が綺麗にかける、集中力、礼儀作法
習字は、昔も今もランキングに入る、人気の習い事です。
スマートフォンやパソコンの普及で手で文字を書く機会が減っており、大人になっても恥ずかしくない字を書けるようになってほしいと願うママパパさんは多く、近年習字を習うこどもは増えています。
まず、習字を習うメリットは、綺麗な字を書けるようになることです。習えば、習字以外でも自然と綺麗な字を書く習慣が身につきます。
また、習字は一字一句の書き順はもちろん、中心線を意識した文字のバランスや、文字同士の距離など全体のバランスを意識します。
加えて、辺のはね・はらい・止め方など、細部に至るまで意識を向ける必要があり、鉛筆で書いた字のように修正することができないため、集中力の向上が期待できます。
さらに、書道は講師への挨拶に始まり、正しい姿勢や道具の作法、さらに片付け方まで一連の流れの中で様々な礼儀作法を学びます。
こどもがまだ幼い頃から礼儀作法を学ぶことで、家庭で親がしつけをする負担も少なくなり、将来大人になって社会生活を送る上でも役に立つはずです。
そろばん
【対象年齢】:4歳から
【入会金】:0~5,000円
【月謝】:4,000~10,000円
※別途、そろばん、テキストの購入あり(13,000円前後)
【身につく能力】:記憶力、創造力、計算力、集中力
そろばんを行うことで、目と指先を使うことで右脳を鍛え、記憶力や創造力を高める効果がある他、情報を早く正確に処理できるようになるといわれています。
計算をする時にそろばんを利用するため、計算をする際に働く左脳に効果があるように思われますが、むしろイメージでの記憶を得意とする右脳を鍛える効果があります。そろばん経験者は頭の中でそろばんをはじいて計算していると聞きますが、そろばんを頭の中でイメージしながら計算をしています。
特に12歳までの幼児期は右脳の発達が活発といわれます。学校教育では、左脳を使うことを前提としたカリキュラムが多いため、そろばんを早い時期から始めることが右脳を鍛えるためには効果的です。
また、計算に対する苦手意識を持つ前にそろばんを習わせることで、数字に強くなり、小学校から始まる算数の授業に抵抗なく取り組めるでしょう。
団体スポーツ(サッカー)
【対象年齢】:4歳から
【入会金】:5,000円~8,000円
【月謝】:5,000~8,000円
※別途、ユニフォーム他サッカー用具の購入あり(15,000~30,000円前後)
【身につく能力】:体力向上、協調性、礼儀作法
団体スポーツのサッカーや野球などは、特に男の子に人気の習い事の一つです。
特に、サッカーは広いコートの中をボールをドリブルして走ったり、ジャンプしてボールを受け止めるなどの動作を行うため、持久力、柔軟性が上がり、バランスよく全身を鍛えることができます。
また、上下の学年と関わりながらチームプレーを重視する競技のため、自然と協調性や礼儀が身につきます。
さらに、ゲームの勝敗を経験する過程で、諦めない力や達成感を得ることができるでしょう。チームで切磋琢磨しながら、達成感や充実感を得られることが団体スポーツの最大の魅力といえます。
なお、純粋にスポーツを楽しみたい場合は地域の「スポーツ少年団」のサッカー教室を、選手を目指すためステップアップしたい場合は、養成スクールを選ぶとよいでしょう。
一般人であるパパ達が監督やコーチを務めることが多い「スポーツ少年団」の場合、費用は月5,000円程度と比較的月謝が安い一方、ママも当番制で試合や練習のサポートが必要なことも多いため事前に対応できるか確認しておくことも必要です。
武道(空手)
【対象年齢】:3歳から
【入会金】:0~5,000円
【月謝】:3,000~9,000円
※教室により別途、道着、スポーツ安全保険、昇級試験代の費用発生あり(1,000~20,000円前後)
【身につく能力】:基礎運動能力、集中力、礼儀作法
武道は、武士道の伝統に由来し、勝敗のみならず人格や道徳心を磨く競技です。代表として、空手、柔道、剣道などがあります。
特に空手は、決められた技を順番に魅せる「型」と、実際に対戦する「組手」に分かれ、基本の動きを繰り返し練習します。
この「型」も「組手」も体幹がしっかりしていないと綺麗に技を決められず、練習を行うことで自然と体幹が鍛えられることになります。体幹は身体の基礎でもあるため、空手以外のスポーツにおいても活かすことができます。
また、他の武道と同様に礼儀作法を特に重視する競技のため、技だけでなく礼をする意味から相手を敬う心を徹底的に学ぶことができます。
体力面を鍛えることは勿論、優しさかつ礼儀正しさを併せ持つ人へと成長するでしょう。
プログラミング教室
【対象年齢】:6歳から
【入会金】:0~10,000円
【月謝】:9,000~80,000円
※別途、教材費、PCレンタル代の費用発生あり(1,000~60,000円前後)
【身につく能力】:論理的思考、問題解決能力、創造力
プログラミング教室では、プログラミングを使って実際にゲームやアプリを作るなど、こどもが楽しみながら学ぶことができます。プログラミング教室では普段からICT機器を利用するため、パソコンの基本的な使い方やタイピングスキルなども幅広く習得できます。
社会のIT化が進むなか、プログラミングの需要は今後も伸びていくことが予想されます。その影響を受けて、小学校では2020年度からプログラミング学習が必修化されたことから、習い事の選択肢の一つとして今注目されています。
さらに、2024年度からは大学入学共通テストの「情報」科目において、プログラミングに関する問題が出題されることが決定しています。プログラミングを習うことで基本的な知識を身に付けていれば、大学受験を有利に進められたり、社会人になっても役に立つことでしょう。
また、プログラミングを学習することで、論理的思考や問題解決能力が身に付きます。コンピュータは与えられた指示通りに動くため、順序立てて論理的で適切な指示を出す必要があります。
プログラムの過程でエラーが出た場合、原因を考え、正しく修正する必要がありますが、修正と確認を繰り返しながら完成させることで、問題解決能力も養われるでしょう。
習い事をするメリット
・こどもの可能性を引き出す。
・自信がつく。
・習慣の基盤ができる。
・集団での習い事の場合は、社会性が身につく。
習い事は学校では体験できない知識や環境に触れることができ、こどもの興味や好奇心を育てます。
幼児の脳は3歳にはほぼ出来上がると言われており、この時期から習い事による良い刺激を与えることで知的能力や運動能力の発達が期待できます。
また、どんな習い事でも目標があるため、夢中になって取り組み、目標を達成できた時はこどもの大きな自信に繋がるでしょう。
さらに、定期的に習い事に通うことは、習慣の基盤をつくることにもなり、継続して何かに取り組む習慣を身につけることは大人になっても役に立ちます。
なお、学校以外の集団環境があれば、社会性が身につくことも期待できます。
習い事の選び方
こどもが楽しめる事か
習い事を選ぶ大前提として、こども自身が面白いと感じ、やりたいと思っているかが大切です。なぜなら、人は面白いと感じる事に集中するからです。長時間の学習や練習を強要するのではなく、自ら進んで取り組める習い事を選びましょう。
一度始めた習い事でも、こどもがやりたくない状態が一定期間続くのであれば、一度区切りや目標を決めて、達成したら辞めてしまうことも大切です。日頃の生活からこどもの興味関心は何か意識しておくとよいでしょう。
得られる効果が目的と合っているか
習い事によって、得られる効果や能力は様々です。
体力をつけ健康に育ってほしいならスポーツ系を、感性豊かに育ってほしいなら音楽系を、学力向上をサポートしたいのであれば学習系など、目的に合った習い事を選びましょう。
複数の習い事に通うことも可能ですが、家族との時間が減るため、習い事は多く選び過ぎないことをお勧めします。
費用・送迎に無理ないか
習い事の種類あるいは教室によって、教材や競技道具などの初期費用の負担が大きい場合があります。
毎月支払う月謝の相場も、習い事によって上下するため、ご家庭の経済状況をみて費用感に無理のない習い事を選びましょう。
また、習い事によっては、教室に通う場合と、自宅でオンライン受講する場合があります。教室に通う場合は、こどもが幼児期または小学校低学年の場合は親が送迎する必要があります。そのため、親も送迎の負担に耐えられるか事前に確認しておきましょう。教室によっては、送迎まで行ってくれる場合があります。
まとめ
以上、習い事の最近のトレンドや身につく能力や選ぶ際の注意点をお伝えしました。
① 習い事上位は例年通り変わらず、1位は前年同様「水泳」。小学校のプログラミング授業必修化に伴い「プログラミング教室」に通うこどもも増えている。
② こどもが楽しめる事が大前提。運動能力ならスポーツ系、知的能力を鍛えたいなら文化系の習い事がオススメ。
③ 習い事によって初期費用または月謝の相場は変わるため、無理のない予算で習い事を選ぶべき。
④ こどもの送迎など、親の負担についても事前に確認すること。
習い事を選ぶ前提は、こどもが楽しめる事です。ぜひ、お子さまが夢中になれる習い事を見つけてください。
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